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開咬改善に役立つMFT ― ガムトレーニングについて

  • 矯正治療のギモンについて
  • こどもの矯正

矯正治療において歯並びや咬み合わせを整えることはもちろん大切ですが、治療後に正しい状態を維持するためには「お口の機能」そのものを改善することも欠かせません。

近年注目されている「口腔機能発達不全症」は、舌や口唇の筋力、嚥下機能などが十分に発達していない状態を指し、歯並びや咬み合わせの問題に直結します。当院でも、矯正治療と並行して「MFT(口腔筋機能療法)」を取り入れており、その中でも特に効果的なトレーニングの一つが「ガムトレーニング」です。

<ガムトレーニングとは?>

ガムトレーニングは、ガムを使って舌の位置や動きを正しく導くトレーニングです。

舌は本来、安静時には上あご(口蓋)に軽く触れているのが正常な位置です。しかし、口腔機能発達不全症の子どもや、開咬傾向のある子では、舌が下に落ちていたり、前方に押し出す癖(舌突出癖)が見られることがあります。このような舌の使い方は、歯を正しい位置に維持する力を妨げ、矯正治療後に後戻りを引き起こす原因にもなります。

そこでガムを利用することで、舌を口蓋に正しく持ち上げる感覚を身につけ、さらに咀嚼・嚥下の動きを改善していきます。

<ガムトレーニングの基本的な順序>

ガムトレーニングにはいくつかのステップがあります。一般的には以下のような流れで行います。

  1. 舌でガムを正しい位置に置く練習
    ガムを丸め、舌で上あごの決められたスポット(上の前歯の少し後ろの位置)に押し当てて保持します。これにより、舌の安静位を正しく覚えます。
  2. ガムを左右均等に噛む練習
    左右の奥歯でしっかりとガムを噛みます。このとき、口唇を閉じて、左右均等に咀嚼できるように練習します。
  3. ガムを舌の上でボール状に丸める練習
    舌を器用に動かす力を養い、正しい嚥下の準備の練習をします。
  4. 舌でガムを真ん中に戻す練習
    噛み終えたガムを舌で上あごのスポットに戻すことで、舌の持ち上げとコントロール力を高めます。
  5. 嚥下(飲み込み)の練習
    最後に、舌を正しい位置に置いたままガムの唾液を飲み込む練習を行います。舌を前に押し出さずに飲み込む感覚を身につけることが大切です。

<ガムトレーニングで期待できる効果>

ガムトレーニングを継続することで、以下のような効果が期待できます。

  • 舌が上あごに収まる正しい安静位を獲得できる
  • 舌突出癖の改善につながる
  • 嚥下時に舌を前に出さずに飲み込めるようになる
  • 咀嚼筋や口唇の筋肉のバランスが整う
  • 矯正治療後の後戻りを防止し、安定した咬み合わせを維持できる

 

特に、当院では「開咬」の患者様にガムトレーニングを取り入れています。

開咬は舌の癖が深く関わっているため、装置による歯並び改善だけでは後戻りしやすいのが特徴です。ガムトレーニングを組み合わせることで、改善後の安定性を高めることが可能になります。

<当院におけるガムトレーニングの取り組み>

くらたやま矯正歯科では、矯正装置による治療だけでなく、場合によってはMFTを組み合わせた包括的なアプローチを行っています。

矯正治療は「歯を動かすこと」と「機能を整えること」の両方が揃って初めて成功するといえます。ガムトレーニングはその大切な一翼を担うトレーニングです。開咬や舌の癖でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。