こんにちは!くらたやま矯正歯科です。今回は矯正治療で歯並び・噛み合わせを治した後の「保定」についてお話ししていきたいと思います。

矯正治療で歯がきれいに並び、噛み合わせも整うと「これで治療が終わった!」と感じる方が多いと思います。しかし、実は矯正治療は装置を外した後がとても大切です。
矯正が終わったタイミングで始まるのが「保定(ほてい)期間」。この保定期間をしっかり行えるかどうかで、歯並びを長期的に安定させられるかが決まります。
今回は、保定期間がなぜ必要なのか、どれくらい続けるべきなのか、そのリアルな実情についてお話しします。
< なぜ保定が必要なのか?>
歯は、矯正装置で動かした後すぐには安定しません。
歯を支える骨や歯茎・歯根膜は非常にゆっくり変化するため、治療直後は歯が「元の位置に戻ろう」とする性質が強く残っています。これがいわゆる後戻りです。

後戻りは、
- 舌癖や口呼吸などの癖
- 噛み癖や姿勢
- 骨格的な要因
など、さまざまな影響を受けて起こります。
そのため、歯が新しい位置でしっかり安定するまで、リテーナー(保定装置)で支えてあげることが必須なのです。
<保定期間はどれくらい?>
一般的には、矯正治療期間と同じくらいの時間が必要と言われています。例えば治療に2年かかった場合、その後の保定期間も最低2年は続けるのが基本です。
しかし、これはあくまで目安。実際には、
「保定は一生続けるのが理想」
と言われるほど、歯は生涯にわたって動き続ける性質を持っています。
当院でも、治療直後の1年間は夜間と日中合わせて20時間以上しっかりとリテーナーを使用していただき、その後は徐々に夜間のみの使用へ移行する方が多いです。「せっかく整った歯並びをキープしたい」という方は、数年後も継続して夜間だけ使うケースもあります。
<保定を怠るとどうなる?>
やっと歯を動かす期間が終わって装置が取れたのに、また新しく保定装置を使わないといけないのか…と面倒になってしまう気持ちもありますが、保定をサボると…
- 歯列が徐々に乱れてくる
- 噛み合わせが甘くなる
- 隙間が戻る
- 治療前の癖が出る
- 最悪の場合、再矯正が必要になる
といった後戻りのリスクが高まります。

とくに治療直後の半年〜1年は歯が非常に動きやすいため、リテーナーの使用が最も重要な時期です。
当院で治療している方の中にも、昔矯正治療をしていたけど、保定をしていなかったり、その時に保定装置をもらっていなかったりして、後戻りしてしまい再治療をしている方もいらっしゃいます。
<当院での保定装置>
くらたやま矯正歯科では、
- クリアリテーナー(透明のマウスピースタイプ)
- Beggタイプリテーナー(ワイヤータイプ)
を用いています。

基本的に上下透明のマウスピースのクリアリテーナーを使用していただき、クリアリテーナーが割れてしまった時や洗浄中などクリアリテーナーが使用できない時にBeggタイプリテーナーを使っていただくという意味合いで当院では2種類の保定装置をお渡ししています。
患者さんの歯の状態や生活スタイルに合わせて、最適な保定方法をご提案しています。
<保定は”矯正治療の仕上げ”です>
矯正のゴールは、装置を外した日ではありません。
「きれいな歯並びをその後も維持できている状態」こそ、本当の治療完了です。
保定は地味で目立たない工程ですが、治療の結果を守る大切なステップ。ぜひ、歯科医師の指示に従って根気よく続けていただければと思います。




