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妊娠中の矯正治療について

  • おとなの矯正

こんにちは!段々暖かくなってきて、先日少し早めの梅の花の開花に出会いました。いよいよ春がやってきて、気持ちも新たになりますね。

今回は妊娠と矯正の関係について話をしていこうと思います!

「妊娠中は矯正ってしても大丈夫ですか」と相談の時に質問をいただくことがあります。

結果から言うと妊娠中の矯正はあまりおすすめしていません。

理由はいくつかありますが大きく分けると4つあります。

①妊娠中はホルモンバランスが崩れやすく、「妊娠性歯肉炎」になりやすいため

②矯正中はお口の中に装置が入るため、清掃性が下がる(歯磨きが難しくなる)

③妊娠中は薬を飲むことを避けた方が良いため

④ 妊娠中は余計なストレスをかけないようにするため

①妊娠中はホルモンバランスが崩れやすく、「妊娠性歯肉炎」になりやすい

 皆さん「妊娠性歯肉炎」をご存知でしょうか?

 そもそも歯肉炎とは、磨き残しによって歯茎の炎症が起きてしまう状態です。そのまま放置をしてしまうと歯周病が悪化してしまい、自覚症状がほとんどないまま歯の周りの骨を溶かしてしまいます。

 妊娠性歯肉炎は、一般的な歯肉炎とは少し違い、プラーク(磨き残し)が主な原因ではなく、妊娠中のホルモンバランスの変化によって起こるものです。

 具体的には、妊娠中は「エストロゲン」、「プロゲステロン」という2つの女性ホルモンが血液中に多く存在しており、これらのホルモンを一部の歯周病原細菌が栄養源としていることにより、菌が増殖して歯肉炎を起こします。

 また、この2つのホルモンは女性の生理周期にも関係しており、そのようなことから女性は歯肉炎になりやすいと言われています。

 さらに、妊娠中に歯肉炎が悪化して歯周病が進行してしまうと、早産や低出生体重児のリスクが高くなるとされています。近年、歯周病の進行によって、様々な全身疾患を引き起こすとされていますが、妊娠期はお腹の中の赤ちゃんにも影響が出てしまうなど特に注意をしたい時期です。

 ②の矯正治療中は清掃性が悪くなってしまうということにも関連しますが、お口の中に装置が入ることによって歯磨きが難しくなるため、矯正治療中はより歯肉炎のリスクが高くなってしまいます。

②矯正中はお口の中に装置が入るため、清掃性が下がる(歯磨きが難しくなる)

 大人の矯正治療では、ワイヤーを使ったマルチブラケット装置とマウスピースを使ったインビザラインの2つの装置からどちらかを選んで治療を行なっていきます。

 インビザラインは取り外しが可能な装置であり、お食事と歯磨きの時は外すものになるので、それほど歯磨きが難しくなることはないですが、マルチブラケット装置の場合は、お口の中に複雑な装置が入るため、初めて装置をつけた患者さんには、「今までの3倍は歯磨きを頑張ってください」とお伝えしています。歯ブラシも1種類ではなく、細かなところを磨きやすいよう形状が少し違う歯ブラシを使用するなど、少し時間をかけて磨いていただく必要があります。

 ①の内容と合わせて考えると、妊娠中はホルモンバランスの影響により歯肉炎を誘発しやすい状態にあるにもかかわらず、矯正装置をつけることによって清掃性が悪くなってしまうと、より歯肉炎のリスクを高めてしまいます。

③妊娠中は薬を飲むことを避けた方が良いため

 矯正治療では、患者様の噛み合わせや歯並びによっては、抜歯をして治療を行うことがあります。抜歯をする際は、麻酔をして歯を抜いていくため、治療中に痛みが出ることはほとんどありませんが、抜歯後に感染予防として抗菌薬を必ず飲んでいただきます。(麻酔が切れた後に痛みが出ることがあるため、痛み止めも一緒に処方しております)

 胎児に影響が出てしまう可能性があるため、妊娠中はお薬の服用は避けていただいた方が良いです。そのため矯正治療を始めるタイミングあたりで妊娠を考えられている方は、少し時期をずらしていただいた方がいいかもしれません。

④ 妊娠中は余計なストレスをかけないようにするため

 妊娠中は女性ホルモンのバランスも乱れ、気分も不安定になります。矯正治療では、お口の中に装置が入ったり、歯が動く痛みがあったりするなど、少なからず矯正をしていない時と比べてストレスのかかる状況になります。

 できるだけ妊娠中はストレスのかからない環境を作ることが大切です。矯正治療は永久歯に生え変わった後は、歯が虫歯が大きくなりなくなったりしない限り治療方針が大きく変わることはありませんので、妊娠を考えている時期と矯正治療を考えている時期が被る場合は、より優先度の高い方どちらかを先に進めることがいいかもしれません。

*現在妊娠中で、矯正をしたい方

 →出産後の治療がおすすめ

*矯正治療中に妊娠がわかった方

 →出産間近の入院等で矯正治療がストップしても問題ありません(3ヶ月ほどは問題ない)

  出産後、落ち着いタイミングでお越しください。

*妊娠を予定している方

 →上記のようなことをふまえ、ご自身の優先度の高い方を選択していただくといいかと思います。